病院・クリニックのキャッシュレス決済導入の注意点とメリット

クリニック経営において、毎日の煩雑なレジ締め作業や、会計待ちの患者様への対応は、スタッフの大きな負担となっていませんか？

こうした日々の業務効率の課題は、キャッシュレス決済を導入することで大きく改善できる可能性があります。会計がスムーズになれば、スタッフは本来の業務に集中でき、患者様の満足度向上にも繋がります。

この記事では、病院・クリニックがキャッシュレス決済を導入する具体的なメリットを解説し、会計業務の効率化など経営上のメリットについても詳しく触れていきます。

さらに、事前に知っておくべき注意点やデメリットを解説し、数あるサービスの中から自院に最適なキャッシュレス決済端末を選ぶための、実践的な5つのポイントもご紹介します。

病院・クリニックがキャッシュレス決済を導入するメリット

キャッシュレス決済の導入は、単に会計が早くなるだけではありません。クリニック側の業務効率と経営体質を改善し、同時に患者様の満足度を向上させるという、双方にとって大きなメリットがあります。

会計業務の効率化と経営改善

キャッシュレス決済は、会計作業を劇的に効率化します。現金の受け渡しや釣銭の計算、両替といった手間が不要になることで、会計スピードの向上が見込めます。毎日のレジ締め作業も大幅に簡素化され、スタッフの業務負担軽減や残業時間の削減に直結します。

また、現金の数え間違いといった人為的ミスを防げるだけでなく、特に高額になりがちな自由診療において、患者様の手持ち現金を気にせず治療提案ができるため、機会損失の防止に繋がります。

さらに、非接触決済は衛生的な環境を保ち、患者様とスタッフ双方に安心感の提供に繋がります。キャッシュレス対応は「患者の利便性を考える先進的なクリニック」というイメージ向上にも貢献し、他院との差別化も期待できます。

患者様の利便性向上による満足度アップ

患者様にとってのメリットは、会計の待ち時間短縮にとどまりません。高額な治療費でも手持ちの現金を気にせず安心して治療に専念できることは、大きな心理的負担の軽減となります。また、クレジットカード等のポイントやマイルが貯まることも、患者様にとっては嬉しいメリットです。

支払いの選択肢が多いことは、患者様の利便性に配慮した質の高い医療サービスの一環として評価され、満足度の向上にも繋がります。

導入前に知るべき3つのデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、導入にはコストや運用面での注意点も存在します。しかし、これらは事前に対策を講じることで十分に対応可能です。ここでは、3つの注意点と具体的な対策を解説します。

コスト（決済手数料・導入費用）の発生

キャッシュレス決済の導入には、決済ごとに発生する「決済手数料」や、端末導入にかかる「初期費用」、サービスによっては「月額費用」が必要です。

これらのコストは避けられませんが、重要なのは表面的な数字だけで判断しないことです。

例えば、両替のための人件費だけを考えても、週に一回銀行へ行く時間を往復30分とすると、単純計算で月に2,452円（最低賃金換算）のコスト削減に繋がります。

このように、これまで現金管理にかかっていた見えないコスト（スタッフの人件費、両替や銀行入金の手数料など）と比較検討することが重要です。

多くの場合、会計業務の効率化による人件費削減効果が手数料を上回ると考えられます。

また、決済サービス事業者が実施する導入キャンペーンなどを活用すれば、初期費用を抑えられるでしょう。

キャッシュフローへの影響（入金サイクルの確認）

キャッシュレス決済による売上は、現金のように即座に手元に入るわけではありません。決済が行われてから、実際にクリニックの口座へ入金されるまでにはタイムラグが生じます。この「入金サイクル」はサービスによって異なり、キャッシュフローに影響を与える可能性があります。

契約前に、各サービスの入金サイクル（月1回、月2回、週1回など）と、振込時に手数料がかかるか否かを必ず確認しましょう。自院の経営状況や資金繰りのスタイルに合った入金サイクルのサービスを選ぶことが、安定したクリニック経営の鍵となります。

システム障害や通信トラブルのリスク

キャッシュレス決済システムは、インターネット回線や電源に依存するため、通信障害や停電が発生した際には利用できなくなるリスクが伴います。

万が一の事態に備え、Wi-Fi環境だけでなく、モバイル回線（SIM）でも通信できる端末を選ぶことで、院内のネットワークトラブル時にも対応でき、リスクを分散できます。トラブル時に迅速に対応してくれるサポート体制が整っているサービスを選ぶことも重要です。

病院・クリニック向けキャッシュレス決済の選び方5つのポイント

数ある決済サービスの中から、自院にとって本当に価値のある一台を選ぶためには、以下の5つのポイントを総合的に判断することが不可欠です。

ポイント 1：患者層に合った決済ブランドをカバーしているか

まず、自院の患者様の属性を分析し、ニーズの高い決済方法に対応しているかを確認しましょう。例えば、高齢の患者様が多い場合は、広く普及しているクレジットカードへの対応は必須です。

一方、若い世代やファミリー層が多い地域であれば、スマートフォン一つで決済できるQRコード決済の需要も高いでしょう。最低限、主要な国際ブランド（Visa、Mastercard）はカバーしておくと良いでしょう。

決済方法	主なブランド例	想定される患者層・ニーズ
クレジットカード	Visa, Mastercard, JCB, Amex	幅広い年齢層、特に中高年層。 高額な自由診療
QRコード決済	PayPay, 楽天ペイ, d払い	若年層〜中年層。 スマホでの支払いに慣れている層
電子マネー	Suica, PASMO, iD, QUICPay	通勤・通学者。 スピーディーな少額決済。

ポイント 2：トータルコスト（手数料・初期費用・月額）は適正か？

PayCAS 決済手数料率の低さだけで選ぶのは避けましょう。端末代金や月額固定費を含めた「トータルコスト」で比較することが重要です。特に、保険診療に比べて単価の高い自由診療の割合が高いクリニックでは、わずかな手数料率の違いが経営に大きなインパクトを与える可能性があります。

自院の売上規模や診療内容を基に、最もコストパフォーマンスの高いサービスを見極めましょう。

ポイント 3：入金サイクルは経営スタイルに合っているか？

前述の通り、入金サイクルはクリニックのキャッシュフローに直結する重要な要素です。月に一度の入金で問題ないのか、あるいはより短いサイクルでの入金が必要なのか、自院の経営スタイルに合わせて選びましょう。サービスによっては複数の入金プランが用意されている場合もありますので、柔軟性も確認しておくと良いでしょう。

ポイント 4：端末の機能性と現場での使いやすさ

毎日スタッフが使うものだからこそ、端末の機能性と操作性は妥協できないポイントです。レシートプリンターが内蔵されていれば、受付カウンターの省スペース化に貢献します。

また、IT機器の操作が苦手なスタッフでも直感的に使えるシンプルな設計かどうかも重要です。訪問診療を行うクリニックであれば、持ち運び可能なモバイル性の高い端末が必須となります。

ポイント 5：トラブル時にしっかりサポートしてくれる体制か

院内にIT専門のスタッフがいない多くのクリニックにとって、サポート体制の充実はサービス選びの生命線とも言えます。

万が一の機材トラブルや操作上の疑問点が生じた際に、すぐに電話で相談できる窓口はあるか？クリニックが診療している土日祝日にも対応してくれるのか？など、迅速で丁寧なサポートが受けられるかどうかは、導入後の安心感に大きく影響します。

キャッシュレス決済端末「PayCAS Mobile」はクリニックに最適な一台！

クリニックの受付という限られたスペースや、IT専門スタッフがいない現場のオペレーションを想定した際に、これまで解説してきた選定ポイントを満たしてくれるオールインワン決済端末が「PayCAS Mobile」です。

以下の３つのポイントでおすすめできます。

1. 省スペース

クレジットカード、電子マネー、QRコードの読み取りからレシートの印刷まで、会計に必要な全ての機能がこの一台に集約されています。決済端末、スマホ、プリンターといった複数の機器を置く必要がなく、受付カウンターをスッキリと保ち、患者様に良い印象を与えます。

2. 簡単オペレーション

機器間の複雑な接続設定やそれに伴うトラブルの心配がありません。スタッフは1台の操作を覚えればよいため、教育コストを低く抑えられます。シンプルで分かりやすい画面設計は、ITが苦手なスタッフでも直感的に使うことができ、スムーズな会計業務を実現します。

3. 高い携帯性

SIMを内蔵しているため、Wi-Fi環境がない場所でも安定した通信が可能です。院内のWi-Fiが届きにくいカウンセリングルームでの会計や、訪問診療といった院外での会計にも柔軟に対応できるため、活用の幅が大きく広がります。

キャッシュレス決済の導入手順は3ステップ

導入までの流れを3つのシンプルなステップで解説します。

ステップ1：Web申し込み

公式サイトからオンラインで申し込みます。その際、法人の場合は登記簿謄本、個人事業主の場合は開業届や本人確認書類、許認可証（診療所開設届など）の画像を準備しておくと手続きがスムーズです。

ステップ2：審査

申し込み情報に基づき、決済サービス事業者による加盟店審査が行われます。審査期間の目安は、申し込みから数日〜数週間程度です。

ステップ3：端末到着・利用開始

審査通過後、決済端末が発送されます。端末がクリニックに到着したら、簡単な初期設定を行うだけですぐに利用を開始できます。

病院・クリニックのキャッシュレス導入に関するよくある質問（Q&A）

導入を検討される病院・クリニックが疑問に思うであろうポイントを、Q&A形式でお答えします。

Q1. 保険診療と自由診療で、会計を分けることはできますか？

A：はい、多くのサービスで可能です。「PayCAS Mobile」でも、申込時に分割決済利用で登録し審査に通れば利用可能です。
保険診療分と自由診療分を合算で決済できるかは確認が必要です。
これにより、患者様のさまざまな支払いニーズに応えることができます。

参考：https://cas.softbank.jp/press/221130_01/

Q2. 導入にあたって、補助金は使えますか？

A：国や地方自治体が提供する「IT導入補助金」などを活用できる可能性があります。この補助金は、中小企業・小規模事業者がITツール（会計ソフトや決済機能など）を導入する際の経費の一部を補助する制度です。補助対象や公募期間は毎年変動しますので、中小企業庁の公式サイトやサービス提供会社などで最新情報を確認することをおすすめします。

Q3. セキュリティと個人情報保護は大丈夫ですか？

A：主要なキャッシュレス決済サービスは、クレジットカード業界の国際的なセキュリティ基準である「PCI DSS」に準拠しています。これにより、患者様のカード情報は強固に暗号化され、安全に処理されるため、クリニック側でカード情報を保持する必要はありません。情報漏洩のリスクを最小限に抑え、安全な決済環境を提供できます。

まとめ

病院・クリニックにおけるキャッシュレス決済の導入は、もはや単なる支払い手段の追加ではありません。会計業務の効率化、スタッフの負担軽減、未収金リスクの回避、そして患者満足度の向上を実現する、重要な経営戦略の一つです。

成功の鍵は、手数料率の低さだけで選ぶのではなく、「患者層との適合性」「端末の使いやすさ」「サポート体制」といった、現場目線の運用面を総合的に判断することです。

特に、受付スペースが限られ、専任のIT担当者がいない多くの個人クリニックにとって、「PayCAS Mobile」が提供する「省スペース・簡単操作・手厚いサポート」は、日々の業務を力強く支える最適なパートナーとなり得ます。

まずは自院のケースでどのくらいの業務効率化が見込めるのか、そしてどのようなコストメリットがあるのか、詳しい資料を見て検討してみてはいかがでしょうか。

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