
歯科医院の経営において、日々の現金管理の負担や、自由診療における未収金リスクは、多くの院長先生や事務長様が抱える共通の課題ではないでしょうか。
キャッシュレス決済の導入によって、自由診療でも、クレジットカード決済による一括払いや分割払いが可能になり、後日の未払いを大幅に防げます。医院側も、決済が完了したことを確認してから治療を開始できるため、安心です。
しかし、受診者様の利便性を高めたい一方で、手数料コストや煩雑な手続きを考えると、キャッシュレス決済の導入に踏み切れずにいるケースも少なくありません。
本記事では、歯科医院がキャッシュレス決済を導入するメリット・デメリットを網羅的に解説し、自院の規模や受診者様に最適な決済サービスを選ぶための具体的なポイントを提示します。
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目次
歯科医院がキャッシュレス決済を導入するメリットは、単に支払いがスムーズになるだけではありません。会計業務の劇的な効率化から、高額な自由診療の成約率向上まで、医院経営の質を大きく向上させる、以下の5つのメリットが存在します。
メリット 1:会計業務の効率化とミスの削減
メリット 2:満足度の向上と来院機会の損失防止
メリット 3:高額な自由診療(インプラント・矯正など)での成約率アップ
メリット 4:衛生管理の強化(感染症対策)
メリット 5:インバウンド(外国人受診者様)需要への対応
これらについて詳しく解説していきます。
キャッシュレス決済導入の最も大きなメリットは、会計業務の大幅な効率化です。現金の取り扱いが減ることで、釣銭の準備や毎日のレジ締め、銀行への入金といった煩雑な作業にかかる時間と人的コストを大幅に削減できます。キャッシュレス決済の取引のすべてがデジタルデータとして正確に記録されるため、売上管理や経理処理が格段に楽になり、数え間違いなどのヒューマンエラーを防ぐことにも繋がります。
支払方法の選択肢が増えることは、受診者様の利便性向上に直結します。特に、急な歯の痛みで来院された方や、定期健診で想定外の治療が必要になった方にとって、「手持ちの現金がない」という心配なく治療を受けられる環境は大きな安心材料です。
キャッシュレス決済に対応していることが、治療機会の損失を防ぎ、結果として受診者様満足度の向上に貢献します。
インプラントや矯正治療といった高額な自由診療において、キャッシュレス決済は強力な武器となります。クレジットカード決済に対応していれば、受診者様は分割払いやリボ払いを選択できるため、一度に大きな金額を用意する必要がなくなり、治療への心理的なハードルが大きく下がります。
これにより、治療提案の成約率向上が期待できるだけでなく、医院にとっては未収金リスクを大幅に軽減できるという決定的なメリットがあります。
衛生管理が徹底される歯科医院において、キャッシュレス決済は感染症対策の観点からも非常に有効です。現金やカードの受け渡しが不要なタッチ決済などを導入すれば、受診者様とスタッフ双方の物理的な接触機会を最小限に抑えられます。
これは、院内感染のリスクを低減し、すべての人が安心して過ごせるクリーンな環境づくりに貢献します。
日本での歯科治療費が安価であること、そして訪日・滞在する外国人の増加によって、外国人受診者様の来院も増えています。海外ではクレジットカード決済が主流であり、キャッシュレス対応は医院選びの前提条件とも言えます。
そのためインバウンド需要を取りこぼさず、幅広い受診者様を受け入れるための重要な備えとなります。

多くのメリットがある一方で、キャッシュレス決済の導入にはコストや運用面でのデメリットも存在します。しかし、これらの課題は事前に対策を講じることで十分に乗り越えることが可能です。ここでは、代表的な4つのデメリットとその具体的な対策について解説します。
キャッシュレス決済を利用すると、売上の一部が決済手数料として差し引かれます。手数料率は決済ブランドや契約するサービスによって異なり、一般的に数%程度です。このコストを懸念する方も多いですが、重要なのは「手数料を上回るメリットがあるか」という視点です。
会計業務の効率化による人件費削減効果や、高額診療の成約率アップによる売上増加分が手数料を上回るのであれば、十分に導入価値があると言えるでしょう。
導入時には、決済端末の購入費用や設置費用などの初期コストがかかります。端末は数万円から数十万円するものまで様々ですが、近年では比較的安価で高性能なオールインワン端末も増えています。
また、決済サービス事業者が実施する期間限定の導入キャンペーンや、国・自治体の補助金制度(例:IT導入補助金など)を活用することで、初期コストを大幅に抑えることも可能です。
現金と異なり、キャッシュレス決済の売上は即座に入金されるわけではありません。入金サイクルは決済サービスによって異なり、PayPayの場合は「振込手数料は月1回(月末締め最短翌日入金)」「自動申請(一定額超過で振込)」「ご申請後に翌日振込(有料)」の3つがあります。
サイクルを把握しておかないと、医院のキャッシュフローに影響が出る可能性があるので、契約前に入金サイクルと振込手数料の有無を必ず確認し、自院の資金繰りに合ったサービスを選ぶことが重要です。
キャッシュレス決済端末は電力とインターネット通信に依存するため、停電や通信障害が発生した際には利用できなくなるリスクがあります。
例えば、PayCAS Mobileも通信障害時には使用できなくなってしまいます。置き型QRもありますが、こちらは利用申請が必要となりますので、突発的な事態には対応するのが難しいです。
このような万が一の事態に備え、現金での支払いや、オフラインでも処理が可能な決済方法を一部残しておくなどの代替手段を準備しておくことが大切です。
また、Wi-Fiだけでなくモバイル回線(SIM)にも対応した端末を選ぶことで、通信障害のリスクを分散できます。
数あるキャッシュレス決済サービスの中から、自院に最適なものを選ぶためには、いくつかの重要な視点があります。以下の5つのポイントをチェックリストとして活用し、後悔のないサービス選定を行いましょう。
手数料率の低さだけでサービスを選ぶのは危険です。決済手数料が安くても、端末代金が高額であったり、月額の固定費が高額だったりしては、トータルコストで損をしてしまう可能性があります。初期費用、月額費用、決済手数料の3つを総合的に比較検討することが重要です。
また、保険診療(低単価・高頻度)と自由診療(高単価・低頻度)の比率も考慮しましょう。例えば、自由診療の割合が高い医院であれば、多少手数料が高くても多様な分割払いに対応できるサービスが有利になる場合があります。
受診者様の利便性を最大限に高めるには、幅広い決済ブランドに対応していることが不可欠です。最低限、国内で広く普及している主要なクレジットカードブランド(Visa、Mastercard)は必須と言えるでしょう。
さらに、受診者様の年齢層に合わせて、若年層に人気のQRコード決済や、交通系ICカードなどの電子マネーに対応できると、より多くのニーズに応えることができます。
| 決済方法 | 主なブランド例 | 受診者様層・特徴 |
|---|---|---|
| クレジットカード | Visa, Mastercard, JCB | 幅広い年齢層。 高額決済 |
| QRコード決済 | PayPay, 楽天ペイ, d払い | 若年層〜中年層。 スマホユーザー |
| 電子マネー | Suica, PASMO, iD, QUICPay | 通勤・通学者。 スピーディーな少額決済。 |
医院の安定した経営基盤づくりのためには、キャッシュフローの管理が欠かせません。決済サービスの入金サイクルが自院の資金繰りの計画と合っているか、必ず確認しましょう。サービスによっては、入金サイクルを複数から選べたり、早期入金オプションが用意されていたりする場合もあります。また、売上金の振込時に手数料がかかるかどうかも見落としがちなポイントです。
毎日使う決済端末だからこそ、その操作性は非常に重要です。特にIT機器の操作が苦手なスタッフでも直感的に扱える、シンプルで分かりやすいインターフェースの端末を選びましょう。また、万が一の機材トラブルや操作方法で不明な点があった際に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っているかも重要な選定基準です。
土日や祝日も診療している医院であれば、サポートデスクも同様に稼働しているサービスを選ぶと安心です。

これまで、歯科医院に最適なキャッシュレス決済を選ぶための5つの重要なポイント(①費用のバランス、②対応ブランド、③入金サイクル、④操作性、⑤サポート体制)を解説してきました。
これらの選定基準を高いレベルで満たし、多くの歯科医院にとって有力な選択肢となるのが「PayCAS Mobile」です。
なぜおすすめできるのか?4つのポイントに沿って紹介します。
国内で7,000万人の登録ユーザー数(*25年7月時点)を誇る「PayPay」はもちろん、主要なクレジットカード(Visa、Mastercard、JCBなど)、交通系をはじめとする電子マネーにもこの一台で幅広く対応できます。受診者様が希望するほとんどの支払い方法を提供できるため、「カードが使えないなら…」といった機会損失を防ぎ、受診者様満足度の向上に直結します。
多くのクリニックが診療を行う土日祝日にも対応可能なサポートデスクを完備しています。急な操作の疑問や万が一のトラブルが発生しても、電話一本で専門スタッフが丁寧に対応するため、専任のIT担当者がいない医院でも安心して診療に集中できます。
決済端末・カードリーダー・プリンターが一体となったオールインワン設計も強みです。レシートプリンターなどの周辺機器を別途用意する必要がないため、限られた受付スペースを圧迫せず、すっきりと設置できます。配線もシンプルで、IT機器が苦手なスタッフでも直感的に操作できる使いやすさが魅力です。
通信機能にSoftBankのSIMによる、4G回線が用意されています。有線LANやWi-Fiがなくても決済可能で、端末のサイズも持ち運びに便利な片手サイズなので、場所を選ばず決済業務に活用できます。
実際にキャッシュレス決済を導入する際の、一般的な流れを「PayCAS Mobile」を例に4つのステップで解説します。この手順を把握しておくことで、スムーズな導入が可能です。
公式サイトなどから、サービス内容や料金プランを確認し、オンラインで申込み手続きを行います。必要書類(店舗画像、営業許可証など)を事前に準備しておくとスムーズです。
申込み内容に基づき、決済サービス事業者による加盟店審査が行われます。業種や事業内容の確認が主な目的で、通常は数日から数週間程度かかります。
審査に通過すると、決済端末が発送されます。端末が届いたら、説明書に沿って初期設定やインターネット接続設定を行います。多くの場合、簡単な設定ですぐに利用を開始できます。
PayCAS Mobileの場合は、初期設定済みの端末が届くため、電源を入れたらすぐにご利用頂けるため、特にスムーズに導入できます。
実際に運用を開始する前に、受付スタッフ全員で操作方法の研修を行います。決済、キャンセル、レシート発行などの基本操作を習得し、受診者様への案内方法などを統一しておきましょう。
ここでは、歯科医院の皆様が気になるであろう質問とその回答をまとめました。導入前の不安解消にお役立てください。
A1. ご高齢の方でも問題なく利用できるケースがほとんどです。特にクレジットカードは、シニア層にも広く普及している決済手段です。受付で「クレジットカードもご利用いただけますよ」とお声がけしたり、操作方法を分かりやすく図解した案内を受付に掲示したりすると、どなたでも安心してご利用いただけます。
A2. まったく不利になることはありません。医療費控除の申請に必要なのは、支払った医療費を証明する「領収書」です。支払い方法が現金であろうとキャッシュレス決済であろうと、医院が発行する領収書の効力は同じです。
A3. はい、活用できる可能性があります。代表的なものに「IT導入補助金」があり、決済端末の導入費用や関連するシステムの利用料などが補助対象となる場合があります。補助金制度は年度によって内容や公募期間が変動するため、導入を検討するタイミングで、中小機構が運営する公式サイト「IT導入補助金」などで最新の情報を確認することをおすすめします。

本記事では、歯科医院におけるキャッシュレス決済導入のメリット・デメリットから、最適なサービスの選び方までを解説しました。キャッシュレス決済の導入は、もはや単なるコストではなく、会計業務の効率化、未収金リスクの軽減、そして受診者様満足度の向上を通じて医院経営の質そのものを高めるための重要な「投資」です。
特に、専任のIT担当者がいない多くのクリニックにとって「PayCAS Mobile」は、非常におすすめできる選択肢となるでしょう。
まずは自院の場合、どのくらいのコストメリットが見込めるのか、より詳しい資料を取り寄せて検討してみてはいかがでしょうか。最適なキャッシュレス環境を整え、受診者様とスタッフの双方から「選ばれる歯科医院」を目指しましょう。
PayPay株式会社では、加盟店をご紹介いただいた方向けにキャッシュバックキャンペーンを2つ実施しています。
1つ目は「PayPay加盟店ご紹介キャンペーン」。PayPayを紹介し、紹介先店舗様で合計500円以上のPayPay決済がされると、1店舗につき紹介元店舗様に1,500円、紹介先店舗様に1,000円をプレゼント致します。
2つ目は「PayCAS Mobile加盟店ご紹介キャンペーン」。PayCAS Mobileを紹介し、紹介先加盟店様のPayCAS Mobile端末で合計500円以上の決済がされると1端末につき紹介元加盟店に3,000円、紹介先加盟店に2,000円をプレゼント致します。
詳しくはキャンペーンページをご確認ください。
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