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2016年1月より交付が開始されたマイナンバーカード。
マイナンバーとは、国内での行政手続きにおいて個人を識別するために国民1人1人に割り当てられた12桁の個人番号のことで、顔写真や住所、生年月日などの個人情報とともにマイナンバーが記載されたICチップ付きカードのことを個人番号カードと言います。マイナンバーカードはその通称で、私たち住民は無料で発行することができます。
マイナンバーカードを発行すると、身分証明書や個人番号の提示をはじめ、税金や社会保険などに関する行政手続きが、このカード1枚で可能になります。オンラインでの手続きにおけるマイページのログインなどにも利用することができます。
現在では、マイナンバーカードが健康保険証として利用可能になりました。また、マイナンバーを個人の預貯金口座と一緒に登録しておくことで、給付金申請の手続きが効率的にできるようになりました。今後も幅広い目的で利用されることが期待されており、マイナンバーカードの交付申請数は8,350万を超え、人口の約66%が取得する見込みとなりました(令和5年1月9日時点)。
編集部の独自調査で、「マイナンバーカードとは何か、具体的に知っていますか?」というアンケートを取ったところ、22.0%の方が「いいえ」と回答しています。マイナンバー制度が施行されて4年が経つ現在においてもなお、約2割の人がマイナンバーカードの用途や意図を理解していないということが分かります。
すでにマイナンバーカードを取得された方も、これから取得される方も、マイナンバーカードに関する理解はまだまだ十分とは言えないのではないでしょうか。この記事では、下記のような疑問に答えていきます。
マイナンバーカードを発行することのメリットや申請方法について解説していきます。カードの発行をすべきかどうかの判断や、実際に取得するときのやり方において参考にしてみてください。
まずは、マイナンバーカードを取得するメリットについてご紹介します。そもそも、マイナンバー制度は「便利な暮らし、より良い社会」を目指しており、「公平・公正な社会の実現」「行政の効率化」「国民の利便性の向上」という3つのスローガンを掲げています。これらの原則に沿って利用用途や諸手続きが整備されているため、私たちの生活でもいろんな場面でポジティブな変化をもたらしてくれます。
発行に手間のかかるイメージがあるマイナンバーカードですが、手元に持っていると得られるメリットはたくさんあります。ここでは、6つの項目に分けて解説していきます。
マイナンバーカードには、個人番号の他に顔写真や住所、生年月日、性別などが記載されています。そのため、運転免許証などと同様、公的な身分証明書として使用することができます。未成年の方や運転免許証を持っていない人の場合、複数の書類を用意する必要がありますが、マイナンバーカードを所有していればこの一枚を提示するだけで証明ができます。
新規で口座を開設する際やパスポートを新規発給する際など、本人確認に加えマイナンバーを提示しなければならない場面があるかと思います。そんな時、マイナンバーカードを発行していれば楽に対応できます。カード1枚で対応できる唯一のカードですので、大きなメリットを感じていただけるでしょう。
転職や引っ越しなど、節目節目で何かと必要になる住民票や印鑑登録証明書ですが、従来であれば発行できる場所は役所のみに限られていました。土日休みの会社員の方などはご経験があるかもしれませんが、平日の日中しか開いていない役所に行くために、平日に休みを取ったり昼休みの短い時間を使ったりという必要があり面倒ですよね。
しかし、マイナンバーカードを持っていればコンビニで各種書類を発行することができます。市区町村によって違いはありますが原則は6:30〜23:00で利用できるため、出勤前後の数分で出力することができとても便利です。
発行にはマイナンバーカードの交付時に設定した電子証明書が必要になりますので、コンビニへ足を運ぶ前に番号を確認して行きましょう。
現在、マイナンバーカードは社会保障、税、災害対策の分野のみに利用が制限されていますが、今後その利用用途は拡大していくと見られています。保険証として利用できるようになる見込みがあったり、一部都市ではすでに図書館の貸し出しカードとしても利用されていたりと、その傾向は年々強くなっています。
マイナンバーカードにさまざまな機能が集約されると、サービスごとにカードを複数発行し所有する必要がなくなるため、財布がかさむ心配もありませんし、それぞれのサービスで一から登録する手間もなくなります。将来的に、マイナンバーカード1枚でさまざまな公的サービスを受けられるようになるので、今から持っておくのは賢明な判断と言えるのではないでしょうか。
マイナンバーカードの利用目的が、現在どれくらい拡大されているのかについての情報は、下記資料から確認することができます。
自営業や個人事業主を行なっている方は、毎年確定申告をされているかと思います。この手続きを窓口ではなく、電子申告で行うと節税ができる可能性があるというのはご存知でしょうか。
電子申告では、令和2年度から10万円分減額になった特別控除額が、従来と同じ65万円で控除を受けられます。この際に必要になるのが、マイナンバーカードです。従来であれば、初めて電子申告を行う方は電子申告等開始届出書を税務署へ提出し、利用者識別番号を取得する必要がありましたが、マイナンバーカードがあればこの手続きを省略することができるため、面倒な確定申告を少しでも楽にすることができます。その上、10万円高い控除を受けられるというのは、大きなメリットではないでしょうか。
電子申告には他にも、ネット上で手続きが完了するので窓口に行って並ぶ必要がない、添付書類を省略できる、還付スピードが早いなどのメリットがあります。
クレジットカードや航空会社の利用でたまったマイレージなどをID連携することにより、一部の「自治体ポイント」に交換することができます。このポイントは、その土地の特産品を購入したり、地元商店街での買い物に利用することができるもので、異なるブランドの各種ポイントを合算して使用することも可能です。自治体ポイントは、マイナンバーカードの発行後にオンラインでマイキーIDを作成・登録することで利用できます。
また、マイナンバーカードには旧姓を記載することができます。これは、社会で旧姓を使用しながら活動している女性が増えていることを反映し、さまざまな活動で旧姓を使用しやすくするための施策の一環として決定されました。
万が一結婚をして名字が変わったとしても、旧姓時に開設した口座や各種契約における身分証明や、就職・転職といった仕事の場面における旧姓での本人確認で活用できるといったメリットがあります。
ここまで、マイナンバーカードのメリットについてご紹介してきました。普段の生活にも便利に使えたり、さまざまな公的手続きが楽になったりという魅力を感じていただけたのではないでしょうか。
それぞれの特徴を抑えた上で、次は申請方法について解説していきます。どちらの方法でも無料で申請・発行ができますが、個人番号通知カードの下についている「個人番号カード交付申請書」または「個人番号通知書」が必要になります。実際に発行する際は、この二つのどちらかをお手元にご準備して、どの方法で申請するか考えてみてください。これらを紛失した方は、お住まいの市区町村窓口に紛失した旨を届け出ると対応していただけますので、ぜひ一度窓口に足を運んでみてください。
個人番号カード交付申請書に署名もしくは記名・押印し、顔写真を貼り付けポストに投函します。個人番号カード交付申請書や送付用の封筒を紛失した方は、ネット上からもダウンロードできますので、そちらから準備して書類を郵送しましょう。
交付申請用のWEBサイトで必要事項を入力し、顔写真を添付して申請する方法です。顔写真は自宅でデジタルカメラで撮影したものでも使用できるため、簡単に申請することができます。顔写真は、直近6か月以内に撮影した、正面・無帽・無背景のものを使用しましょう。
交付申請用のWEBサイトで必要事項を入力し、顔写真を添付して申請する方法です。こちらも、顔写真はご自宅でスマートフォンで撮影したもので構いません。こちらも顔写真を準備する際は、直近6か月以内に撮影した、正面・無帽・無背景のものを使用しましょう。
タッチパネルから「個人番号カード申請」を選択し、交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。その後、画面案内にしたがって必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信することで申請が完了します。証明写真を準備する必要がなく、写真機の中で全ての手続きが完了しますので、綺麗な写真を使いながらも簡単に申請手続きを行うことができます。
マイナンバーカードは発行が義務化されていないことから、実際に利用している方はまだ多くありません。ですが、マイナンバーカードを所有している場合のメリットが多く日頃の諸々の手続きがかなり楽になることと、今後カードを活用した行政手続きの対応範囲が拡大されることも見込まれていますので、一度発行すれば必ずその便利さを実感していただけるかと思います。
申請が完了すれば、概ね1ヶ月程度で交付通知書がご自宅へ発送されます。そのハガキと個人番号通知カード、本人確認書類などを持って交付窓口へ行けばカードを受け取ることができます。お受け取りの際に複数の暗証番号を設定する必要がありますが、この時定めた番号は確定申告の電子申告やコンビニでの書類発行、行政のサイトへのログイン(マイナポータルなど)に必要になりますので、他人に知られない方法で大切に保管してください。
発行手続きが簡単かつ無料で行なえ、今後利用できる場面がどんどん増えていくマイナンバーカード。発行をお考えの方は、交付されるまでに1ヶ月程度の期間が必要になりますので、時間に余裕のある時に前もって発行しておくことをおすすめします。ぜひ、今後のために考えてみてください。
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