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近年、電子マネーやクレジットカード、QRコード決済などで支払うキャッシュレス決済の普及が進んでいます。自分のお店もキャッシュレス決済に対応すべきか迷っている飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか。
2021年に経済産業省が中小事業者を対象に行った調査では、全業種の事業者(アンケートに回答した1,189社)の約7割がキャッシュレス決済を導入しています。そして、業種別では飲食店(アンケートに回答した247社)の導入は85.4%にものぼり、今後も増加していくと予想されます。また、若い世代を対象とした調査では、その過半数がキャッシュレス決済未対応を理由として店舗での買い物をやめた経験があるとの結果も出ており、新規顧客の獲得や継続利用を見据え、キャッシュレス決済に対応していくことはますます重要になってくると考えられます。
しかし、いざキャッシュレス決済に対応しようと思っても、どの決済方法を導入するのがいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんな時は、1台でクレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応できるマルチ決済端末がおすすめです。
今回は、マルチ決済端末の特徴、マルチ決済端末を飲食店が導入するメリットについて、詳しく解説していきます。
出典:
経済産業省 キャッシュレス決済実態調査アンケート集計結果
株式会社ランチェスター「Z世代のキャッシュレス/ウォレットレスに関する実態調査」
マルチ決済とは、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済方法に対応していることをいいます。以前は、このようないくつもの決済方法に対応するには、決済方法ごとに端末を設置し、それぞれの操作方法を覚え、決済会社ごとに売上や手数料を管理する必要がありました。しかし、現在はマルチ決済端末を導入することによって、1つの端末でさまざまな決済方法に対応・一元管理することが可能です。
マルチ決済端末は、1つの端末でさまざまなキャッシュレス決済方法に対応できる端末のことです。マルチ決済端末で対応できる主なキャッシュレス決済方法には、大きくわけてクレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済の3つがあります。
・クレジットカード決済
クレジットカード決済は、現在キャッシュレス決済方法の中で一番使われている決済方法です。カードがあれば手元に現金がない場合でも利用でき、分割払いも可能なため、高額な決済もできることが特徴です。また、インバウンド需要の高まる中、クレジットカード決済ができることは、観光地はもちろん、それ以外の場所でも、販売機会を拡大することにつながります。
・電子マネー決済
電子マネー決済は、事前にカードやスマートフォンなどの端末にお金をチャージしておき、その金額内で決済をする方法です。電子マネーは事前にチャージできる金額に限度があるため、高額の取引には不向きといえます。しかし、電子マネーはカードやスマートフォンで気軽に利用できること、支払いがスムーズであること、利用によるポイントが得られるなど、メリットが多く利用する人も多い決済方法です。そこで、比較的低価格の商品・サービスを取り扱う店舗や飲食店などでは、新規顧客の獲得を狙った導入が増えています。
・QRコード決済
QRコード決済は、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済方法です。利用者のスマートフォンに表示されるQRコードを店舗の端末で読み込んだり、店舗が提示するQRコードを利用者のスマートフォンで読み込んだりすることで決済をします。現金やカードを持ち歩く必要がなくスマートフォンだけで決済ができること、近年特にクーポン、ポイントなどのサービスが充実していることから利用者が増えています。
マルチ決済端末を導入するメリットのひとつが、新規顧客の獲得です。
最近では、多くの現金は持ち歩かず、支払いをスマートフォンやカードで済ませる人も増えています。そのため、支払い方法が現金だけというお店は、初めてのお客さまの選択肢に入りにくくなってしまいます。支払い方法が現金だけのお店に入る場合、入店前や会計後に手持ちの現金を気にしなければなりません。また、海外からのお客さまの場合は、特にキャッシュレス決済を望む場合が多く、現金以外の支払い方法がない場合、それだけでお店選びの候補から外されてしまう可能性は高くなるでしょう。
今や、利用したい支払い方法を選べることはお客さまの大きなニーズとなりつつあり、さまざまな支払い方法に対応できるマルチ決済端末の導入は、新規のお客さまが来店するきっかけのひとつとなります。また、既存のお客さまのなかにも、本当は利用したいキャッシュレス決済がある、という可能性もあります。
さまざまなキャッシュレス決済に対応することで、売上アップの可能性も高まります。
経済産業省の調査によると、キャッシュレス決済導入済み店舗の13.1%が「売上が増えた」と回答、「来店客一人あたりの売上が増えた」と回答した店舗は10.9%となっています。これは、支払い方法を選べることにより、新規のお客さまの来店の機会が増えること、お客さまが手持ちの現金を気にせずに買い物や食事ができることが、売上アップにつながっていると予想されます。
出典(売上アップ):
経済産業省 キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会(P34〜)
※アンケート対象:キャッシュレス決済を導入済みの小売業、飲食業(いずれも中小企業)
マルチ決済端末の導入は、従業員の負担軽減にもつながります。
決済方法が現金のみの場合と比較すると、開店前の釣銭の準備や、閉店後のレジ締め作業にかかる時間を短縮し、従業員の負担を減らすことができます。従業員のレジ作業の時間が減ることで、接客などのサービスに、より時間を使うことが可能になります。従業員の数が少ないお店や、人手不足にお悩みのお店にとっては、特に大きなメリットになるでしょう。
また、決済方法ごとに別々の端末を使う従来のやり方では、それぞれの端末の操作を覚える必要がありました。その点、マルチ決済端末は1台で済むので、従業員が操作を覚える手間と時間を減らすことができます。
マルチ決済端末の導入により現金でのやり取りが減ると、お店に多額の現金を置いておくことも少なくなります。現金の取り扱いや保管による従業員の手間や心理的負担が減るうえ、防犯上のリスクも軽減することができます。
マルチ決済端末を導入し、キャッシュレス決済に対応できるようになると、会計時の釣銭の計算や現金の受け渡しが減ります。釣銭の間違いなどの会計ミスの軽減、ランチの時間帯など混雑時のスムーズな会計は、お客さまにとってもお店にとってもメリットとなるでしょう。
多くの人の手に触れる現金での決済と比較して、キャッシュレス決済は衛生的な決済方法といえます。なかでも電子マネー決済やQRコード決済は、従業員がお客さまの持っているカードやスマートフォンに直接接触することなく決済をすることが可能です。また最近は、クレジットカードでも非接触型のタッチ決済ができるタイプが多く発行されており、お客さまのカードに触れることなく決済ができる場面も増えています。衛生的であることが重要な飲食店にとっては大きなメリットです。
また、非接触による決済では、例えばお会計の際に従業員がお客さまのクレジットカードをお預かりするというような場面がなくなります。お客さまの手元からカードが離れてしまう状況がなくなることで、カード番号やセキュリティコードを外から見られるリスクも減り、セキュリティの面でも安心です。
キャッシュレス決済は、それぞれの決済サービスによって締め日、入金日が異なります。決済サービスごとに別々の端末を導入する場合、入金までの期間や入金日がバラバラになってしまうため、キャッシュフローを把握しにくいというデメリットがありました。他方、マルチ決済端末を導入した場合は、別々の決済サービスであっても入金日を同じにすることができるため、お金の動きを把握しやすくなります。同じサイクルのまとまった入金予定が見えることで、仕入れや人件費、家賃などの支払いの計画を立てやすくなることも、マルチ決済端末を導入するメリットのひとつといえるでしょう。
マルチ決済端末は、さまざまなキャッシュレス決済が可能にもかかわらず、端末は1台で済むため、ごちゃごちゃとしがちなレジ周りがすっきりし、狭いスペースも有効活用することができます。
また、モバイル型のマルチ決済端末は持ち運びができるので、店舗以外の場所でも利用することが可能です。特に、屋外でのイベントやフェスへの出店、キッチンカーでの移動販売やデリバリーなどでは、カードやスマートフォンだけでスムーズに支払いをしたいというニーズがさらに高まります。マルチ決済端末を導入することで、簡単にそのニーズに応えることができます。
持ち運びができることのメリットは、店舗内の利用シーンでも生かすことができます。例えば、会計時にお客さまがレジ前に集合する従来のスタイルから、お客さまの居るテーブルで会計するスタイルへ変更することで、レジ前の混雑を解消しつつサービスを向上させることが可能になります。
経済産業省は2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にするという目標を掲げ、キャッシュレス決済の推進に取り組んでおり、利用者は今後も増加することが予想されます。それに伴い、お客さまが利用する決済方法はますます多様化し、そのニーズに対応する上でマルチ決済端末はとても有効な手段になるでしょう。
そして、新規顧客獲得、従業員の負担軽減、衛生的かつ効率的な会計、販売機会の拡大など、飲食店にこそ、マルチ決済端末の導入にはメリットがたくさんあります。ぜひ導入をご検討、準備してみてはいかがでしょうか。
出典:
経済産業省 2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました
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