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ランチや飲み会はもちろん、一人でも訪れる機会の多い飲食店。カフェや居酒屋、バーなど、自分のお店を持ちたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
また、すでに飲食店を経営しているものの、安定的な経営を実現するためにはどのような対策が必要なのかを研究しているオーナーも多いはず。
そこで今回は、飲食店を経営するうえで失敗しないために、店舗オーナーがとるべき対策や考え方などを紹介していきます。
一般社団法人日本フードサービス協会の調査によると、飲食業界における2019年の売上高は前年比96.4%、利用客数も94.7%となっており、2017年以降下落傾向にあります。調査を開始した1994年からトータルで見てみると、90年代は上昇基調であったものの、2000年代に入ると前年を上回る年もあれば大幅に下回る年もあったりと、ほぼ横ばいの数値でした。
また、2019年は売上高や利用客数の減少に比例するように、店舗数も減少。前年比97.3%となっています。
2019年といえば台風の被害や消費税増税などのトピックがありました。四半期ごとのデータを見てみても、10月から12月において軒並み前年割れの数値となっていることからも、これらの要因が大きく影響を及ぼしたことがうかがえます。
飲食業界は景気の動向を受けやすいと言われますが、実際にデータを見てもその傾向は顕著に表れていることが分かります。
また、大規模災害の発生などによっても来店客数は減少し、飲食店の経営に大きな影響を及ぼす可能性もあるといえるでしょう。
(出典:外食産業市場動向調査 令和元年(2019 年)年間結果報告)
これから飲食店を開業し経営していこうと考えている場合、どのようなポイントに注意すべきなのか、いくつか具体的な事例を交えて紹介します。
飲食店の開業にあたっては、どのような戦略を立ててお店を経営していくかを綿密に検討する必要があります。そこで重要になるのが「事業計画書」の作成です。
事業計画書とはその名の通り、 何を売ってどのように利益を上げていくのか、そのために何を行うべきなのかを整理しながら作成する書類です。
事業計画書は飲食店の開業に限らず、あらゆる事業を展開していくうえで重要な計画書で、銀行などから融資を受ける場合においても、必ずといってよいほど事業計画書の提出を求められます。
飲食店の開業にあたって多くの人の頭を悩ませるのが開業資金の準備です。店舗の立地や必要な設備によっても多少変わりますが、 個人経営の小規模な飲食店であっても、1,000万円程度の開業資金が必要になるケースも少なくありません。
また、開業資金の節約のために自宅を店舗として利用する場合であっても、各自治体から営業許可を得るためには改装が必要となることもあります。そのため、まずはどの程度の開業資金が必要なのかを見積もりをとってもらい、必要に応じて銀行などから融資を受けることも検討しましょう。
飲食店の安定的な経営を実現するためには、適切な原価率を算出したうえで価格設定を行うことが重要です。 一般的に飲食店の原価は20〜30%程度とされており、あまりにも原価率が高いと利益が少なくなり、店舗の経営を圧迫しかねません。
また、仕入れた食材が全て売れるとも限らないため、ロス率も考慮したうえで価格を設定する必要があります。 一般的な飲食店の場合、平均的なロス率は5%程度とされていますが、店舗の経営を続けていくなかで、適切な発注量が予測できるようになるとロス率も低減していくでしょう。
飲食店に限らず、モノを販売する小売業において重要な指標となるのが「在庫回転率」です。これはその名の通り、仕入れた在庫をどの程度のサイクルで販売し消化しているかを示す指標です。在庫回転率が極端に悪い商品ばかりだと経営を圧迫する可能性もあるため注意が必要になります。
飲食店の場合は、 提供しているメニューのなかで売れ筋を見極めることが在庫回転率の把握につながります。
たとえばAというメニューは1日に10件以上のオーダーが来るのに、Bという商品は週に2~3件程度であればメニューを再考する必要もあります。食材の仕入れなどにも直結するため、在庫回転率は常に意識しておきましょう。
飲食店の基本である清潔感やお店の雰囲気などを示すのが「QSCVA」です。「Quality(品質)」、「Service(サービス)」、「Cleanness(清潔さ)」、「Value(価値)」、「Atomosphere(雰囲気)」の頭文字をとった言葉で、これらを意識すれば長く愛されるお店になるとされています。
特に飲食店の場合は、清潔感のあるお店作りが必要不可欠です。どれだけ料理の味が良くても、お店全体が不潔でメンテナンスが行き届いていないとリピート客は減ってしまいます。そのため、飲食店の基本ともいえる衛生環境の整備は細心の注意を払うことが必要です。
飲食店をオープンした後、最低でも知っておくべきポイントを4つピックアップしてみました。
飲食店に限らず、店舗を経営するうえで基本となるのが顧客管理です。 顧客データを適切に管理することによって、さまざまな客層に個別のアプローチが可能になり、売上向上に役立ちます。また、多くの飲食店が頭を悩ませている無断キャンセルに対しても、顧客に適切な処置をとることができるようになります。
顧客管理用のツールはさまざまなものがあり、今ではスマートフォンやタブレット端末でも管理できる無料のアプリも存在します。
飲食店の経営に欠かせないのがアルバイト従業員の存在です。しかし同時に、店舗オーナーにとってはアルバイトの数が増えれば増えるほどシフトの調整や管理も難しくなっていきます。
従来はシフト表を作って紙で掲示するような手法が一般的でしたが、最近ではオンライン上で利用できるシフト管理ツールも多く登場しています。面倒な勤怠管理を手助けするツールもあるため、従業員の労務管理に時間を取られている場合は検討してみるのもおすすめです。
サービス業の基本である接客マナーを徹底することも重要な課題です。挨拶や声がけはもちろん、飲食店にありがちなトラブル時の対応も想定してマニュアル化しておくと良いでしょう。
特に接客業が初めてのアルバイト従業員の場合、どのような対応がNGなのか最初のうちは分からないものです。あまりにも馴れ馴れしく接客してしまうと、来店客によっては不快に感じ重大なクレームに発展する可能性もあるため注意が必要です。
2019年10月から施行された消費税増税によって、買い控えをする消費者も多くなりました。 しかし、キャッシュレス決済を利用することでポイントや残高の還元が行われるため、現金よりもキャッシュレス決済をメインに利用している消費者も増加しています。
なかには、キャッシュレス決済に対応していない飲食店の利用を避ける消費者もいるため、キャッシュレス決済の対応が重要と言っても過言ではありません。
従来は、クレジットカードや電子マネーに対応するために高額な初期費用や手数料を支払う必要がありましたが、たとえばQRコード決済サービスであれば、その多くは低コストで導入できるため店舗側の負担も少なくてすみます。
飲食店を安定的に経営していくためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。今回は3つのポイントに絞って紹介します。
店舗経営の基本となるのが、経営にかかわるさまざまな数値の的確な分析です。売上高はもちろん、仕入原価や利益率、客単価などの指標が代表的な例といえます。
特に飲食店の場合、原材料費の変動によって利益率が大きく変わりますが、だからといって即座に価格に反映してしまうとリピート客が離れていってしまう可能性もあります。そのため、経営数値を分析した後でも、冷静な判断をする必要があるでしょう。
飲食業界は顧客の求めるニーズが常に変化するため、店舗もそれに対応していかなければなりません。しかし、流行にばかり乗っていると一時的な売上は確保できても、ブームが去った後で店舗の売上も大幅に減少してしまいます。
そのため、 もっとも重要なのは、自身のお店がどのようなニーズによって支えられているのかを見極めることです。たとえば、来店客の年齢層や性別、店舗の立地なども大きな判断要素のひとつです。また、メニューのなかで売れ筋商品の傾向を見極め、ニーズにマッチしそうな新メニューの開発を積極的に進めていくのもよい方法といえるでしょう。
同じエリアに立ち並ぶ飲食店でも、行列が絶えないお店もあれば数年で撤退してしまうお店もあります。勝ち残っている飲食店で提供されているメニューはもちろんですが、接客やお店の雰囲気なども総合的に比較してみるのが重要です。
また、反対に撤退していく店舗の特徴を分析することも健全な経営を行ううえで欠かせないポイントといえます。
初めて飲食店の経営に挑戦する場合は、誰もが不安に感じるものです。そのため、見切り発車で店舗をオープンさせるのではなく、入念な経営計画を立てたうえで参入するのが成功の大前提であるといえるでしょう。
また、飲食店の規模が大きくなればなるほど自分一人だけで経営することは難しく、アルバイトやパート従業員の力も不可欠になっていきます。一緒に働く従業員の労務管理は経営者にとっても重要であり、効率化すべき業務でもあります。さらに、安定的な経営をするためには顧客管理の業務も必要不可欠です。
同時に、新たな顧客を獲得するための施策を積極的に打ち出す「攻め」の姿勢も要求されるもの。既存顧客を大切にしながらも、新たな顧客を獲得するバランスを維持しながら、安定的な経営を実現しましょう。
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