飲食店の営業許可はどうしたら取れる?取得の流れと必要な届出について徹底解説

資料

この記事はこんな方におすすめ

  • これから飲食店を始めたいと思っている人
  • 営業許可の取得までの流れを知りたい人
  • 許可を取るのにどれくらいの費用や期間がかかるのか気になる人
  • 飲食店におすすめの決済方法・決済サービスについて知りたい人

この記事によって分かること

  • 営業許可申請に必要な書類と記載事項を確認しましょう
  • 必要な期間は2~3週間、費用は2万円程度。まずは保健所への相談から
  • 許可取得してから営業を始めましょう
  • 営業許可申請と並行して決済方法・決済サービスについても検討しましょう

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飲食店の営業を始めたいと考えている方のなかには、いったいどのような流れで営業許可をとればいいのか、頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか?

飲食店の営業許可を取得するにあたっては、保健所に書類を提出したり所定の検査を受けたりする必要があります。

この記事では、飲食店の営業許可を取得するまでの流れ、費用、検査で見られるポイントなどを網羅的に解説します。また、営業許可申請の際に一緒に検討しておきたい、決済方法・決済サービスについても解説します。これから飲食店を始めようと思う人はぜひ最後までご覧ください。

注目記事:マルチ決済端末を徹底解説!個人事業主も導入可能。QRコード決済・クレジット・電子マネーを一元管理!

飲食店の営業許可とは

チェック

飲食店を開業するために必ず必要なのが「飲食店営業許可」です。保健所に申請し、検査に合格することによって取得することができます。

飲食店営業許可を取得するには、大きく分けて以下の2つの要件が必要です。

  • 食品衛生責任者を置くこと
  • 保健所の検査をクリアし、営業許可証を取得していること

人に関する要件では、営業許可を申請する人が欠格事由に当たる場合は営業許可を受けられません。欠格事由としては、以前に食品衛生法違反で処分を受けていること、営業許可を取り消されてから2年以内であることなどが挙げられます。

飲食店の業態によって、ほかにも必要とされる資格などはありますが、最低限上記の要件を満たさなければなりません。

食品衛生責任者

飲食物を提供するお店は、食品衛生責任者をおき、保健所に届け出なければなりません。食品衛生責任者とは、食品を扱う店舗において、食品の衛生管理を行う責任者のことで、飲食店の衛生管理が法令に反しないように管理する役目を担っています。

また、一人の食品衛生責任者がその職務を務められるのは一店舗です。

食品衛生責任者の資格は、以下の人が取得することができます。
①栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注1)の有資格者。
②保健所長(特別区にあっては、特別区の区長)が実施する食品衛生責任者になるための講習会または知事の指定した講習会の受講修了者。

(引用:食品衛生責任者 – 一般社団法人東京都食品衛生協会)

もし上記の資格をもっていない場合は、「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで資格を取得することができます。

講習は各都道府県の食品衛生協会で実施しているので、講習の日程などについて詳しく知りたい人は、各団体のホームページを確認してみてください。

公益社団法人日本食品衛生協会

営業許可証

営業許可が下りると保健所から「営業許可証」が交付されます。

流れは後ほど詳しく説明しますが、営業許可証を取得するには、申請書類を準備し、保健所の検査を通過しなければなりません。
開業したい日から逆算して余裕をもって申請するようにしましょう。

営業許可取得までの流れと期間・費用

書類

次に、飲食店の営業許可を得るまでの流れと期間、費用について解説します。
スムーズに手続きを進めるために、大枠の流れを知っておきましょう。

営業許可取得の流れと期間

無事に許可が下りた場合、申請から2〜3週間で営業を開始できることが多いようです。

  1. 保健所に事前相談する
  2. 営業許可の申請を行う
  3. 施設検査日程などの調整
  4. 保健所の施設検査
  5. 営業許可証が交付される
  6. 営業開始

申請書類を提出したあと店舗の施設(シンクや調理場など)が要件に合致しているか、保健所の担当者による検査があります。

検査基準は飲食店の業態や地区の保健所ごとに若干異なります。事前相談で施設や設備要件について疑問点があれば、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

内装の工事が終わった後に「ここの作りがダメ」と指摘されると、コストや時間もかかり非常に手間なので、着工前のタイミングで保健所に相談するのがおすすめです。

店舗の工事が終わったタイミングとほぼ同時に営業を開始させたいのであれば、工事が完了する前に営業許可を申請し、工事が完了したあとすぐに保健所の担当者に検査をしてもらう手配をするとよいでしょう。

さらに、テイクアウトが可能なお店、店員が客を接待するお店、深夜0時を超えて酒類を提供するお店などは、ほかに申請が必要です。上記に限らず、業態によって資格や届出を要する場合もあるので、施設の所在地を所管する保健所に事前に確認してくださいね。

営業許可申請に必要な書類と、施設検査のおもな項目は記事内で後ほど解説します。

営業許可取得にかかる費用

飲食店の営業許可を取得するには、申請料金が発生します。

申請料金は飲食店の営業形態や、地域、保健所によって異なりますが、だいたい16,000円~19,000円です。

たとえば、東京の新宿区での場合、申請料金は以下の通りです。

飲食店営業 18,300円
喫茶店営業 11,500円
乳類販売業 11,500円
飲食店営業(臨時移動) 5,600円
氷雪製造業 25,200円

(出典:営業許可業種と申請手数料一覧|新宿区)

上の表のように、飲食店の業態、販売店なのか製造業なのかによっても料金は違います。あらかじめ申請する保健所のホームページなどで確認するようにしましょう。

営業許可の更新

飲食店の営業許可は一度取得したら、永久に有効というわけでなく、定期的に更新しなければいけません。

営業許可の更新手続きをせずに営業するのは違法行為に当たるので注意しましょう。

営業許可証は営業する業種にもよりますが、一般的には5~8年の有効期限が定められています。

更新期限については、飲食店営業許可証の下部に有効期間が記載されているので、その有効期限の10日前までに更新手続きを行うようにしてください。

更新に必要なものは以下のとおりです。

  • 飲食店営業許可証
  • 所定の更新料

上記の2点を持って保健所に行き、更新の手続きを行います。

更新の際は、お店の衛生面に問題がないか、設備が壊れていないかなどをチェックするための実地調査があります。検査終了後、2、3日後には新しい営業許可証に交換されることが多いようです。

申請に必要な書類

サイン

許可をとるにあたって、所定の申請書類を揃えて保健所に提出しましょう。基本的には以下の書類が必要です。

  • 飲食店営業許可申請書
  • 営業設備の大要・配置図
  • 内装の配置の平面図
  • 場所の見取り図
  • (法人が申請する場合)登記事項証明書
  • (貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書
  • 食品衛生責任者の資格を証明する書類

これらの必要な書類について詳しく説明していきます。

飲食店営業許可申請書

この書類は申請する保健所の窓口でもらう、もしくは、ホームページでダウンロードして準備します。

申請書のフォーマットは保健所によって異なることがあるので、所在地を所管する保健所が発行しているものを使うようにしましょう。

記入する内容は、住所や名前、申請する業種や食品衛生責任者の氏名などです。

営業設備の大要・配置図

店舗の設備の概要や配置を記載する書類で、保健所に行けば用紙をもらえるほか、ホームページからダウンロードできることもあります。

たとえば面積や、壁の材質、トイレの構造、厨房のつくりなど、お店の設備に関する内容を細かく記入します。わからない部分があれば、随時保健所に確認するようにしましょう。

内装の配置の平面図

お店の客室や、厨房のどこに何が設置されているかを示す平面図。

営業設備の大要の裏面が、平面図の記入用紙となっていることが多いです。内装業者に依頼している場合は、自分で準備しなくてもいいこともあります。

平面図には入り口、厨房、冷蔵庫、トイレ、テーブル、椅子の位置などを平面にかきおこします。

手描きの場合は、ボールペンと定規を使って作成するようにしましょう。

場所の見取り図

お店の場所がわかるような資料のことです。
見やすければ手描きでもOKですが、地図をコピーしてお店の所在地に印をつけておく程度の簡易的なものでもよいでしょう。

登記事項証明書(法人の場合)

営業許可を申請する者が法人の場合にのみ提出する資料です。個人事業主として事業を行う場合は、必要ありません。

役所で書類を取得する際は、「履歴事項全部証明書をください」と伝えましょう。

この書類には、法人にまつわる様々な情報が記載されていて、そのうち「目的」という欄があります。この欄に、飲食店の経営という文言が入っているかどうかを確認しましょう。必ずしも飲食店経営の文言が入っていなくても許可が下りる場合もありますが、念のため事前に保健所に確認するのをおすすめします。

とくに途中で事業内容を変更した場合、別の事業を行っていて新たに飲食業に参入する場合などは注意しましょう。

水質検査成績書(貯水槽、井戸水を利用する場合)

貯水槽の水や井戸水を利用する場合はこの書類を出さなければなりません。

ビル内にお店を構えることを考えているなら、ほとんどの場合、ビルで共用の貯水槽にある水を使うことになります。書類は、管理会社か大家さんに問い合わせればもらうことができるでしょう。

食品衛生責任者の資格を証明するもの

冒頭でも解説したように、飲食店の営業許可を取得するには、 お店ごとに食品衛生責任者を置かなければなりません。

その責任者がちゃんと資格を持っているかどうか証明するものを提出する必要があります。

食品衛生責任者となるための講習を受講し、合格した後に渡される「食品衛生責任者手帳」が発行されるので、そちらを提出するのが一般的です。

保健所の検査でみられる設備の要件

書類を提出したあとは、現地調査があります。

保健所の担当者が店舗を訪れ、規定どおりの構造であるか、所定の設備がついているかなどを細かくチェックします。どのような点で調査されるかわからず不安な方もいるかと思いますので、主にチェックを受ける点について解説します。

検査官は、設備が整っているか、衛生面で不備はないかどうかなど細かく検査を行うので、検査前に店舗内を整えておきましょう。

また検査項目や基準は、保健所によって異なる場合があります。事前相談の段階で、どういった点に留意する必要があるかを確認しておくようにしましょう。

検査で見られる主なポイントは以下のとおりです。

  • シンクの幅は基準を満たしているか
  • 厨房とお手洗いに、手洗い場が設置されているか
  • 調理場と客席エリアが分けられているか
  • 食器棚に戸がついているか
  • 給湯器が設置されているか
  • 厨房のなかに蓋付きのゴミ箱があるか
  • 厨房の床が清掃しやすい作りであるか

もし、検査のあとで店内構造や設備の不備が見つかった場合、工事をやり直さなければならず営業開始に支障が出てしまう可能性もあります。

事前相談の時点でどのような店にしたいかなど構想を練っておき、工事の際に確認しておくようにしましょう。

許可を取得していないうちから営業を始めてはいけない

厨房

お店の規模、業態に関係なく、営業許可を取得せずに飲食店を営業をするのは違法です。

営業許可だけでなく、食品衛生責任者がいないまま放置していたり、規定以外の商品を提供していたりしても、罰則の対象となるので注意してください。

無許可で営業した場合の罰則

営業許可証を取得せずに、無許可で飲食店の営業をした場合は、食品衛生法、風営法に反し2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課せられます。

無許可で飲食店を営業し、罰則を受けると、営業を停止する必要があり、さらに2年間営業許可が取得できなくなります。

経済的にも、従業員の雇用に関しても大きな影響を与えるので、必ず営業の許可は取得しましょう。

「小さなお店だしバレないのでは?」と思っても、警察は無許可営業に警戒を強めており、私服警官による調査や抜き打ちで行われる消防署の夜間査察などが入る際に無許可営業が発覚します。

しっかりと営業許可を取得するようにしましょう。

行政書士に依頼してもOK

「営業許可の取得もよく分からないし、罰則を受けるのも怖いのでプロに任せたい!」と思うのであれば、行政書士に依頼するといいでしょう。

行政書士に依頼すると、費用はかかりますが、面倒な手続きや必要な書類の管理などをすべて行ってくれるので安心です。

行政書士が基本的に代理で行ってくれる業務は以下のとおりです。

  • 許可申請書の作成
  • 営業設備の大要の作成
  • 申請用図面の作成
  • 保健所との事前打ち合わせ
  • 許可申請書の提出
  • 保健所の検査立会い
  • 営業許可証の受領

このようにほとんどの手続きを代理で行ってくれるので、手続きをスムーズに終わらせたい人は依頼してみるのもよいかもしれません。

決済方法・決済サービスについても検討しましょう

店内の動線とオペレーションを具体的にイメージする

ここまで飲食店営業許可の申請について解説してきましたが、並行して決済方法と決済サービスについても検討しておくことをおすすめします。

営業許可申請をする際には、開業する店舗の営業設備の配置図や内装の配置の平面図を作成します。その際に、会計で使う決済端末の設置場所も検討しておくと、その後の開業準備がスムーズになります。店内の配置やスペース、動線などを考慮し、会計する位置をどこにするか考えましょう。同時に、決済方法を決定し、決済サービスを検討します。
決済方法には、現金以外にも、QRコード決済・クレジットカード決済・電子マネー決済といったキャッシュレス決済があります。開業する飲食店のターゲットとなるお客さまが利用する可能性の高い決済方法を検討しておくことが重要です。
また、ひとくちに決済端末といっても、大きさや使い方、機能はさまざまです。モバイル式の持ち運びができる端末や、売上管理までできる端末などもあります。自分のお店ではどういう使い方をしたいのか、どんな機能が必要になるのか、開業後のオペレーションを具体的にイメージし、自分のお店に合った決済サービス、決済端末を選びましょう。

飲食店にはキャッシュレス決済に対応できるマルチ決済端末がおすすめ

近年はキャッシュレス決済の普及が進んでいます。業種別の調査では、飲食店(アンケートに回答した247社)のキャッシュレス決済の導入は85.4%にものぼっています。今後も増加していくと予想され、決済方法が現金のみの飲食店はお店選びの候補から外されてしまう可能性も高くなるでしょう。
しかし、いざキャッシュレス決済を導入しようと思っても、どんなキャッシュレス決済サービスを選べばよいのか、迷う方も多いかもしれません。そこで、飲食店に導入するキャッシュレス決済サービスとしておすすめしたいのがマルチ決済端末です。
マルチ決済端末とは、1つの端末でQRコード決済・クレジットカード決済・電子マネー決済といったさまざまなキャッシュレス決済方法に対応できる端末のことです。
飲食店にとって、マルチ決済端末の導入には多くのメリットがあります。

・新規顧客の獲得・売上アップ
利用したい支払い方法を選べることがお客さまの大きなニーズになっている今、1台でさまざまな支払い方法に対応できるマルチ決済端末の導入は、お客さまが来店するきっかけのひとつとなります。特にインバウンド対策を考えているお店では、多様な決済方法への対応は必須といえるでしょう。また、経済産業省の調査では、キャッシュレス決済導入済み店舗の13.1%が「売上が増えた」と回答、「来店客一人あたりの売上が増えた」と回答した店舗は10.9%となっており、売上アップも期待できます。

・レジ作業の効率化・スムーズでミスの少ない会計が可能
釣銭の準備やレジ締め作業にかかる時間を短縮することができるため、調理や接客などのサービスに、より時間を使うことが可能になります。さまざまな決済方法が1台の端末で済むことから、従業員が操作を覚える手間と時間も減らすことができます。
また、会計時の釣銭の計算や現金の受け渡しが減るため、会計にかかる時間とミスが減り、ランチの時間帯などの混雑時でもスムーズな会計が可能になります。

・非接触で衛生的な会計が可能
お客さまのカードやスマートフォンに直接接触せずに決済することが可能です。最近では非接触型のタッチ決済ができるクレジットカードも増えています。飲食店だからこそ、衛生的であることは大きなメリットのひとつです。

・レジ周りがすっきりする・持ち運びができる
端末が1台で済むため、狭いスペースもすっきりと有効活用することができます。またSIMに対応している決済端末であれば、ネット回線の工事不要でキャッシュレス決済を導入できるのも特長です。ネット環境を気にする必要がなく、決済処理のスピードも早いので、幅広いシーンに対応することができるようになります。モバイル型端末を利用したイベントやフェスへの参加、デリバリー時の対応など、店舗以外の場所でのスムーズな決済も可能になります。店舗内でも、お客さまのテーブルで会計をするスタイルを取り入れることもでき、レジ前の混雑を解消しつつサービスを向上させることができるようになります。

決済方法の決定と決済サービス導入の準備は、開業までの大切なステップのひとつです。決済サービスの導入にかかる期間は、決済会社にもよりますが、およそ1カ月程度です。お店のオープン前に申込みができる決済会社もあるので、余裕を持った準備を進めましょう。

参考
『業種別の調査では』
経済産業省 キャッシュレス決済実態調査アンケート集計結果

『売上が増えた』
経済産業省 キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会 ※アンケート対象:キャッシュレス決済を導入済みの小売業、飲食業(いずれも中小企業)(P40〜)

注目記事:マルチ決済端末を徹底解説!個人事業主も導入可能。QRコード決済・クレジット・電子マネーを一元管理!

まとめ

本記事では、飲食店の営業許可の取得の流れや必要な書類について網羅的に解説をしました。

内容をまとめると以下のとおりです。

  • 営業許可証の申請料は業態や地域によって異なる
  • 営業許可証を取得しないで営業すると罰則が課せられる
  • スムーズに終わらせたい人は行政書士への依頼がおすすめ
  • 営業許可証申請と並行して決済方法と決済サービスの検討をするのがおすすめ

この記事を参考に、あらかじめ手続きの流れを把握しておき、スムーズに営業を開始できるようにしましょう。

次の記事:QRコード決済は個人事業主でも導入できる!メリットと特徴まとめ

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